変化に強い(=ロバストな)モジュール構成および製品アーキテクチャの検討手法(Robust Architecture Design=RoAD)
市場要求の差異や変化に着目し、ロバストな製品アーキテクチャを設計
近年の海外市場の拡大や市場ニーズの多様化に伴い製品への要求は高度化・複雑化する一方で、開発リソースは慢性的に不足しており、多様なバリエーションの製品を効率的に実現する必要性が高まってきています。効率化の1つの手段として部品の共通化などが多くの企業で実施されていますが、市場要求の変化に追従できず、結局、個別で開発してしまっている状況が散見されます。
ITIDでは、変化に強い製品のアーキテクチャを開発するための、市場要求分析をふまえたモジュール構成・モジュール間インターフェースルールの検討フレームワークを提供し、課題解決に貢献します。
期待効果
- 製品の一部を交換することで新たな製品を生み出せるようなアーキテクチャ(=「つくり」)を実現することにより、多様なバリエーションの製品を効率的に実現できるようになる。
- 製品間で共通のモジュールを活用することにより、量産効果の拡大し製品原価が低減できる。
- 製品間で共通のモジュールを活用することにより、製品売り上げ予測の合計台数よりも少ない在庫量で生産管理ができる。
- アーキテクチャにより、モジュール間のすり合わせを減らすことができる。分業化、外製化を推進できる。
- アーキテクチャにより、モジュール別に品質を高められる。モジュールが搭載される製品の品質向上に寄与できる。
コンサルティングの手法
製品ラインナップ計画
実施内容:製品を投入するターゲット市場を設定します
分析手法:市場要求・市場ボリューム把握、市場細分化(セグメンテーション)
図1:市場細分化とターゲット市場設定
システム構成検討
実施内容:製品が満足すべき要件と、その実現手段の構成を検討します
分析手法:要求整理、要素ブロック図分析、DMM
図2:ユーザ毎の要求をツリーを用いて整理
図3:システムのふるまいをブロック図で模式化
アーキテクチャ方針検討
実施内容:要求の重要度や市場別の違い、将来変化を分析・予測する
分析手法:要求重要度分析、要求幅分析、要求変化予測
項目 | 分析ガイド概要 |
重要度 | それぞれの市場において、その要求をどれくらい重要視しているか |
要求の幅 | すべての市場を見たときに、要求値の差が市場間でどれだけあるか |
要求の変化 | 要求値が今後どれくらい変化しそうか |
図4:ターゲット市場毎に分析ガイドを用いて評価
モジュール化実行
実施内容:アーキテクチャ方針検討の結果から、ガイドラインに従って要素の固定/変動やインターフェースの方針を決定する
分析手法:モジュール化戦略ガイド、インターフェース設定基準
図5:ガイドにしたがい要素の固定変動を検討
図6:要素間のインターフェース基準を検討
テーマ | 本施策および改革実施後の結果 |
効率よく開発できる共通化の方針の検討 | 部品共通化の根拠を要求・機能の割り付けまで遡って検討できる。機能割付けを変更することで活動前の共通化方針よりもコストダウンを実現。 |
<活動の進め方概要>
1 活動目的、スコープの合意
- モジュール化を行う目的や期待効果を整理します。
- 対象とする製品や部品を設定し、活動計画を立案します。
2 事前準備、叩き台作成
- 既存情報を確認し、不足情報の調査や情報の整理を必要に応じて実施します。
- システム構成検討に必要な、要求整理・要素ブロック図の叩き台を作成します。
3 製品アーキテクチャ検討
- 検討ステップをもとに製品アーキテクチャの検討を行います。
- 定期的に検討会を開催し、関係部署の協力を得ながら進めます。
4 活動結果共有と開発アクションのまとめ
- 検討した製品アーキテクチャの共有と改善効果の見積りを行います。
- モジュール開発、製品開発に向けたアクションをまとめます。
5 活動フォローおよび振り返り
- モジュール開発および製品開発の状況を確認し、必要に応じて検討結果の補正を行います。
- 開発結果を確認し、振り返りを行います。