多事想論articles

できるという心理に至ることを諦めていないか

クレーンゲームで遊んだ経験がある方は多いのではないでしょうか?
最近、私の息子(小学4年生)がクレーンゲームに熱を上げおり、休日はさまざまなゲームセンターに息子を連れて行き、一緒にクレーンゲームで遊ぶことが多いです。
親としてはゲームにお金を掛けたくないと考える一方、息子の喜ぶ顔を見ると、ついお財布の紐が緩んでしまいます・・・

息子は、景品を獲得するために自分なりに考えて工夫しながら遊んでいるようです。過去の成功体験や、YouTubeで学んだクレーンゲーム必勝法などの情報を活用して、下記のように作戦を練っているようです。
・現状把握:景品の形状や置かれている位置の観察
・戦略立案:製品の状態に対するアームユニット(景品をつかむ部品)動かし方の検討
・再検討:景品を獲得できなかった場合、アームユニットの動作や特性(つかむ力)を振り返り、次のプレイへのフィードバック
その結果、景品を獲得できるイメージが湧かない場合などはプレイを断念する姿も見受けられます。私の息子のケースにおいては、景品が獲得できなくて悔しいからというよりも、「できないだろう」という心理が「できる」という心理に転換されると、もう一度プレイしようというモチベーションが生まれているようです。

みなさんの日ごろの業務において、多様な取り組みをしていると思います。
例えば、上記のクレーンゲームの例を製品開発の業務に置き換えて考えてみると、
・現状把握:プロジェクトの状況を理解して、組織が抱えている問題を認識する
・戦略立案:組織が保有しているシーズ(保有技術や過去知見)の活かし方を考え、課題解決に向けた対策を講じる
・再検討:検討結果を資産化しておき、将来の参考情報として活用する
のような検討プロセスに相当するかと思います。

これらの業務を進めるときに、「できる」という心理に至ることを意識的に、または大切にしているでしょうか。「誰も取組んだことがないことだから、成果を出せないかもしれない」「難易度が高く、検討時間が無いためできないだろう」などのように、「できる」と思えるための検討を十分に行わずに、「できないだろう」の思考を変化させることを諦めていることはあるのではないでしょうか。

日々の業務とクレーンゲームのプレイどちらの場合においても、「できないだろう」を「できる」に変えて自信を高めることは、次のステップを踏みだすために非常に重要です。
ただ、私の息子がさらに自信をつけてクレーンゲームに臨むようになってしまうと、ゲームセンターに連れていかされる頻度がもっと増えてしまうかもしれないという不安を感じます・・・

シニアコンサルタント 福田 康幸

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